【化血研とは?業務停止110日間に至る不正問題について!小林化工はそれ以上の業務停止になる?】
現在、「小林化工」の健康被害問題が話題となっています。
そこで、出てきたのが現在までで最長の業務停止命令を受けた
「化血研」
という研究所の不正問題です。
実は、案外最近のことでこの業務停止命令は2016年に出されており、
110日間と言われています。
今回は、この「化血研」の不正問題について
最近問題の小林化工が化血研以上の業務停止命令になるのかについて、
見ていきたいと思います。
では、
「化血研とは?業務停止110日間に至る不正問題について!」
を紹介します。
化血研とは?
「化血研」の正式名称は「一般財団法人 化学及血清療法研究所」と呼ばれています。
本所は熊本県熊本市中央区。
以前は、ワクチンを主力事業とする製薬メーカーでした。
2018年7月の製薬事業譲渡後、
現在の化血研の主な事業は以下の通りとなっているようです。
■健康管理支援事業の実施
■医療技術者を養成する取り組みへの協力支援
■阿蘇シンポジウムなどの学術集会の開催・後援
■大学・研究機関の後援
■医療機関への協力、支援
■地球環境保全に関連する取り組み
■研究助成
■顕著な業績を挙げた研究者への顕彰
■印刷物の刊行
■生物学的製剤などに関する研究・調査
など、
製薬事業は行っていないようです。
化血研の業務停止110日間に至る不正問題について!
不正問題発覚の始まりは、
2015年5月のゴールデンウィーク明けに、
詳細な不法行為が書かれた封書が厚生労働省へ郵送で届きました。
この匿名の内部告発によって不正が発覚し、
事前通告なしに立ち入り調査を行ったことから始まり、
同年12月までに3回の立ち入り調査によって不正の証拠を確認しました。
結局、
2015年12月14日に厚生労働省から製品の質や安全性の確保について行政指導を受け、
続く2016年1月8日に厚生労働省から医薬品医療機器法に基づき、
全35製品のうち8製品を対象とする、
110日間の業務停止命令を受けました。
これにより、2016年1月18日から5月6日まで製造・販売を停止すことになりました。
業務停止以外では、
2016年1月21日には、日本製薬工業協会から除名処分も受けています。
不正問題の内容とは
不正の内容は何だったのか?
確認できたところでは、遅くとも1974年頃から、
各種ヒト用ワクチンで、
■製造時に添加剤の量の変更
■承認書にないヘパリンの添加
■加熱方法を変更
など、
本来の製造方法の一部変更の承認手続きを踏まずに、
血漿製剤を承認書と異なる方法で違法に製造し続けていました。
そして、法令違反の発覚を恐れ、
1997年頃より、
製造記録を実際のものと、
査察用に分けるなど、
組織的な隠蔽工作を行い続け、
2015年の立ち入り調査の時点で、
製造していた血液製剤全12製品31の工程で不正が発覚しました。
化血研の顛末
業務停止は全35製品のうち8製品を対象に110日間、
2016年1月18日~5月6日の期間でしたが、
結局、その製品の製造が再開されることはありませんでした。
その理由は、
2016年4月に発生した熊本地震です。
この地震により、製造設備が甚大な被害を受けたことで、
全製品の製造が停止することになりました。
その後、
2018年7月2日に「KMバイオロジクス」と呼ばれる、
明治ホールディングス・熊本県企業グループ7社・熊本県庁が出資する株式会社へ、
製薬事業などの主要事業を譲渡することとなり、
化血研はKMバイオロジクスの運営に関与しないとしたため、
これにより 化血研は製薬事業より撤退することとなりました。
化血研以上の業務停止となる小林化工?
化血研の業務停止期間110日というのは現在までで最長とされてきました。
しかし、現在話題の「小林化工」による健康被害問題で、
12/21日厚生労働省などが立ち入り調査を行いました。
その調査結果を踏まえ、
業務停止命令を出す方針を示しました。
調査を受けて、厚生労働省監視指導・麻薬対策課の田中徹課長は、
「 ジェネリック業界、医薬品産業全体の問題で極めて重大」
という見解を持っており、
化血研の110日の業停止期間以上の期間になる見通しを示しています。
※以下追記2/10
2021年2月9日に、
福井県あわら市の小林化工が製造する爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、
医薬品医療機器法に基づいて、
116日間の業務停止処分と業務改善命令を福井県が出しました。
やはり化血研の110日間を超える、
過去最長となる116日間の行政処分となりましたね。
「化血研とは?業務停止110日間に至る不正問題について!小林化工はそれ以上の業務停止になる?」まとめ
化血研とは?業務停止110日間に至る不正問題について!小林化工はそれ以上の業務停止になる?を紹介しました。
化血研や小林化工の問題を鑑みるに、
やはり欠けているのは使う側に対する考え方だと思います。
薬品は使う側の命に係わるとても重要な物であり、
電化製品などのミスや不正で不良品が出た時の、
リコールで代替え品と交換すればいいというような問題ではありません。
是非、厳しく処罰して頂きたいと思います。